2015年10月17日土曜日

タボラでのスーパービジョンとセミナーなど

(Eng. ver is below)
こんにちは。お久しぶりです。日本は秋ですね。ここタンザニアは、乾期が終わって雨期に入り、雨はまだあまり降りませんが、気温が上がっていくのを朝晩の自転車通勤のときに感じています。病院の裏のマンゴーの木の実がはやく熟さないかな、と待ち遠しいです。
この2週間は日本からのお客様に恵まれ、先週はJOCS事務局から服部由起さんが、今週は、タイに居たときに、マヒドン大とBJCCでお世話になった鈴木みどりさんが滞在してくれています。日本語で一緒に仕事をしたり、夫とともにタボラの活動を紹介出来て、嬉しいです。
この一か月は、保健局の仕事や外病院(州立病院)での研修など、ホームの聖アンナ病院の外で人に会う仕事が多かったです。タボラの他の医療施設や行政で働く人といっしょに活動すると、思わぬアドバイスや助けをもらえることも有り、人の繋がりのありがたさを感じています。そして、今の自分の保健局や病院での活動は、今までタボラで働いて来たワーカーのお二人の活動によって支えられていることを感じています。
(Supervision、マラリア件数の報告について指導中)

(Supervision、建設中のkaliua Health Clinicを訪問)

(以下長いので分けます)
 仕事の1つ目は、9月中旬にタボラ大司教区保健局のほうの仕事で「スーパービジョン(SV)」に参加しました。SVは年4回あり、保健局に関連する病院やヘルスセンターなどの10の医療施設を、3日ほどかけて訪問し、医療活動のモニタリングや改善のためのアドバイスをします。毎回のSVにはテーマがあり、今回は「マラリア」でした。テーマに沿った現地の専門家に依頼して一緒にSVを行うので、タンザニアの診療ガイドラインの改訂や、薬の在庫の現状など、同行して勉強になりました。医療施設は互いに離れているため、3日間のSVで走行距離は1000km程度となり、砂漠のような場所やサバンナなど景色もいろいろで、なかには電線や舗装道路もない所の施設も有り、タンザニアの状況を肌で感じることが出来ました。
 また、SVで医療状況把握のための統計資料も集めるのですが、今回のSVで、過去2年半滞っていた分の統計資料の回収や訂正も進み、また、ようやく2012年度分の年次報告書も発行して渡すことが出来て、保健局長のFr.Alexと一緒に喜びました。今後も順次発行していくことができると良いのですが。
報告書の配布

 仕事の2つ目はセミナーで、10月初旬に、10の関連医療施設から、数人ずつの職員の方にタボラ中心部まで集まってもらい、SVと同じくマラリアをテーマにしたセミナーを行いました。SVと同じ専門家の人たちに講師をしていただき、3日間スワヒリ語でマラリア漬けになりましたが、参加者のセミナー前とセミナー後の同じテスト(pre-test/post-test)の点が3割近く伸びていて、講師の人たちと喜びました。その後も参加者から、自分の施設の診療を改善したいので、帰ってセミナー内容の報告会をすると知らせがあり、各施設の診療の改善に繋がってくれたらいいと願っています。
セミナー中、集中力が切れてくると体操(ダンス?)をする皆さん

マラリアの薬(Artemisinin)の注射薬準備の実演中

 他にも聖アンナ病院の成人/母子病棟での回診のことや、外病院の研修について、タボラの慢性疾患について、また落ち込んだときについてなど、いろいろ書きたいことはあるのですが、長いので今度にします。総じて、夫ともども元気にしていますので、ご安心ください。また報告しますね。


Hi, how are you these days? We realized we’d already spent 6 months in Tanzania. We appreciate that we are healthy, able to work, and staying together. These weeks we have guests from JOCS, Ms. Yuki and Ms. Midori Suzuki. It has been more than 1 year since we met her last at Mahidol Univ. and BJCC, in Bangkok. We are very excited!
I’d been out of my home-like-hospital, St.Ann, for several weeks, to work for the supervision and the seminar for 10 health facilities in Tabora Archdiocese. I missed my friends in St. Ann, but those were fruitful weeks worth to it. I hope you also have good days at home, and at work as well. See you!


夫のタンザニア日記(11)

10/5(月)
タンザニアに来て6ヶ月、ここタボラに来て3ヶ月が経ちました。振り返ると時の流れは速いような、でも先の2年半を想うとまだ遅いような気もしている今日この頃です。
タボラでは7月から続けて病院の手術室で働かせていただいてます。お母さんのようなRさん、肝っ玉姉さんのようなPさん、掃除が大好きなEさんらに支えられながら過ごしています。
あと病院から自転車で帰る時、病院入口に居るピキピキ(バイクタクシー)のお兄ちゃんらになぜか「アイダーニ!」と呼ばれるようになりましたが、意味は不明…スワヒリ語ではないらしく、「以前にアイダーニさんていう人が居て、その人に似ているからじゃないか」とある人が推察してくれましたが、真相は分からず。とりあえず、笑顔で手を振って帰る日々です。
こちらは南半球なので徐々に気温が上がり、日中は33℃前後と暑くなってきましたが、10/1にタボラに来てから初めて雨が降りました。雨季の到来でしょうか。乾燥で私の肌はボロボロなので、少しは潤って欲しいと思ったり、自転車通勤での雨は勘弁と思ったり…でも全ては自然にお任せ、共におつきあいしていくのみです。
写真の猫は、病院のシスターが住んでいるところに居候している外敵なし、甘え上手の癒しの彼。



新しい病院施設と、マリアさんのドレス New hospital buildings and Fundi Maria

新しい病院施設と、マリアさんのドレス
New hospital buildings and Fundi Maria from Matumaini School of Jeshi la Wokovu

94日、今働いている聖アンナ・ミッション病院の新しい病院施設の開設式がありました。ヘルスセンター(有床診療所)から病院に拡充されたため、新施設が急ピッチで建ち続け、職員も増えて、皆さん張り切っています。建築現場監督は、20年以上の経験を持つインドから来たシスターでした。修道服の上からタオルを首に下げ、現場を指導していました。病院長や理事長のシスターも一緒に、新施設の構想を話し合う背中は力強く、眩しかったです。修道会がタンザニアに来て25年の節目だそうで、インドやスイスからもお客様が見えました。開設式では、遠くタンザニアまで来てタボラに根付き、病院を建てるまでに到ったシスター達の感謝の祈り(と、ダンス)の迫力に圧倒されておりました。





 先月のある朝、病院から職員全員に、新施設の開設式に着る服のための布が贈られ、仕立屋さんを「彼女は歩けないけれど、とても腕が良いんだ」と紹介されました。どんな人か…と店へ入ると、マリアさんが大きな笑みで迎えてくれました。見覚えのある柄の布を巻いています。
 もしかして…と聞いてみたら、ダルエスサラームで滞在した施設内に併設されていた、Matumaini小学校(障がいのある子のための寄宿学校)の卒業生でした。学校で職業訓練を受け、卒業後タボラへ戻り、仕立ての仕事で子ども達を学校に送ったそうです。お弟子さんも4人居ました。
 ダルエスサラームに居た頃、Matumaini の子供達を見ていて、手足が不自由でも車椅子があればカーチェイスをし、足が短くて走れなくても手にサンダルを履いてサッカーを楽しむ逞しさに驚いていました。ただ…このような学校が国に少ないとのことで、タンザニア中から子供達が集まっているし、学内でも車いすなどは足りなそうだったので、卒業後、社会で生きていくことは決して簡単ではないだろうと思っていました。
 なので、今回マリアさんとは初対面でしたが、成長して立派にやっている子も居るよ、とタボラで会わせてもらったような気持ちになり、幼馴染に再会したように喜び合いました。服の仕立てを頼んだら、電気もPCも無いのですが、壁に貼った服の写真を見せながら、ノートに素早くデザインを描いてくれました。



 タボラに来てから、医療や生活、自分の能力や経験などについて、つい「ないもの」を意識しがちだったのですが、マリアさんに「あるもの」を活かすことを見せていただきました。
 新しい病院施設が、マリアさんのような、タボラで生活する人の必要に応えることを祈りながら、仕立てられた服を着て開設式に参加しました。




On 4th September, we celebrate the silver jubilee of St. Ann’s mission in Tanzania, and opening of new buildings of St. Ann’s Mission hospital. I witnessed many sisters’ passion and rejoice for their mission in 25 years, who came from Asia and Europe, settled in Tabora and built up a hospital finally.
Around a month before, all hospital staffs were given a piece of cloth, to tailor the special clothes with it, for the Opening Ceremony on 4th September. We’re introduced a seamstress, “who has high skill and doesn’t walk”. We wondered who she was. When we entered her shop/house, Maria welcomed us with her big smile, putting on the cloth of Salvation Army. She was a graduate from Matumaini School in Dar es Salaam!
Matumaini School is the primary school for handicapped children, which locates in the Compound of Salvation Army Tanzanian Head Quarter with its dormitory. We’d lived in the compound, together with those students.
Maria had started her training as a seamstress when she was a small student, and returned Tabora after she graduated. She did send the children of her family to school with her income. Now she has 4 students to teach sewing at her place. When I ordered my dress, though no electricity and PC were there, she showed me photos of dresses on the wall, and drew up a fine sketch of clothes quickly on the notebook. I admired her skill. I felt as if I could see one of those students in Matumaini again, after she grew up.

These days, I had tend to focus on “what I/we don’t have” in life or work in Tabora, but Maria taught me the importance of focusing “what I/we have” here and now.

On 4th September, I put on the dress of Maria, praying the new hospital will be serve to the community of Tabora, where dear people like her is living.